書道家と書家の違い

書道家

書道家と書家との違い。

おそらく、多くの一般の方は、その違いを知らない。

日本では「書道家」と「書家」がいる。

当サイトも「書道家」「書家」の両方の肩書きをウェブサイト名に入れています。

 

プロフィール

杉田 曠機(すぎた こうき)

1983年3月宮崎県生。鹿児島大学工学部卒。在学中に書と出会い、「和」の探究へ。世界的ブランドやホテル、アメリカの美術館、神社仏閣へも作品収蔵。その他、個人、企業、ブランド、施設など、様々な媒体とのコラボや、デザイン/ギフト作成を行なってきた。各国首脳が集う会合や国際的な展示会にも出演。日本文化の発信、書道・芸術活動を主に、世界で活躍している。
 

 
 

書道家と書家の検索数

両方の肩書きを記載しているのは、

なぜかというと、

Googleの検索キーワードに関係してます。

数年前まで「書道家」の方が検索されていた

2年前までは「書道家」のほうが多かったんです、実は。

2020年現在は、それが半々になりました。

多くの人が「書家」を検索するときに「書道家」と検索する。

その関係もあって、両方をウェブサイトに載せています。

書道家を検索する人も、書家を検索する人も、

検索している対象は、

「墨で文字を書く仕事をしている人」です。

そうした検索している人たちに探し出してもらうためにも「書道家・書家」を入れるようにしてます。

おそらく、これを赤裸々に話している書家は一人もいないので、

これから書道家を志す人たちのためにも記しておきます。

現在の検索数は半々くらい

現在、ウェブ上で検索する人の人数で言うと、

書道家

書家

ともに同じくらいの検索数になります。

月間検索数で1000〜1万PVになります。

今後も増えるかどうかは分かりませんが、今のところ、このくらい。

数年前まではウェブで検索している人々は「書道家」で検索する人数の方が多かったのですが、

だんだん、書家でも検索する人が増えています。

じゃあ、書道家と書家の違いってなんだろう?

次の章で書いていきます。

 
 

書道家が知られてますが、書家が正式名称

書道家

さて、タイトルの通り、

書道家と書家の違いについて

書家が、日本の書道の歴史においては正式名称となります。

書家とは

書家(しょか)は、書における高度な技術と教養を持った専門家のこと。日本では書人ともいい、近年、異称であるが書道家ともいわれるようになった。中国語では、書法家(繁体字)という。独自の感性で墨文字アート、墨象画を手掛けている書き手は、書家とは異なる。( – Wikipedia参照)

こちら、ウィキペディアの書家のページに掲載されている内容です。

広辞苑には、

しょ‐か【書家】
①書道にすぐれた人。能書家。
②書道を教授し、またはそれを職業とする人。書工。

と掲載されています。

書家というのは、つまり、書道・書法における高度な技術と教養を学び、それを教授できる職業の人をいいます。

書道教室に通い、師範代をえて、書道教室にて書道を教えている人たちの事をいいます。

また、書道にすぐれた人という事ですので、書道教室に限らず、書道にすぐれた作品を書いている人も、書家の類となります。

 
 

書道家とは


古典作品に根ざした書を用い、いわゆる書壇や書流に属すものを書家というのに対し、書道を用いたパフォーマンス等の活動を専らにする者を書道家と呼ぶ。

書家は書、すなわち古典に根ざした内面的な美意識を要諦とするのに対して、書道家は書道、すなわち西洋的な芸術の解釈から広範な活動が許されることを以て行うものである。

書は、文字性、構造性、言語性が必須要素であり、あくまで文字としての要素を残すことにあるため、誤字や形の間違い、歴史的な仮名遣いなどの誤りに厳しいため、研究が非常に重視され、老いるほどにその練達が磨かれる老成芸術とも呼ばれる。

しかし書道においては、西洋芸術の許容度の広い解釈によって、これらの書の必須要素をほぼ無視してよいという解釈がされ、手軽に楽しめる利点がある。

古くから独立系、前衛系の書家を中心に大字書、一字書と呼ばれるジャンルなどで現在のパフォーマンスに近いものは行われていたが、近年のインターネットの発達により活動の環境が整えられ、書道家は増加の傾向にある。( – Wikipedia参照)

こちら、ウィキペディアの書家のページに掲載されている内容です。

ちなみに広辞苑には、書道家の記載はありません。

書家が正式名称となる故ですが、

書道家という名称は、ここ十数年くらいで生まれています。

最初は「書家=書道家」という認識で一般的には考えられてきましたが、

この近年では「書家」と「書道家」を分けて考えるようになってきています。

書家が正統派だという声もありますが、

実は、もっと歴史を前に戻すと、

みなさんが公文などで習っている「習字」と「書道」は違います。

習字は、ここ70年ほどで出来た書道から派生した「字を習う文化」と考えられてます。

習字は戦後に生まれた団体でして、

当時、戦後で時代が大きく変わるときだったと考えられます。

書道文化が廃れる可能性もあった、その時期に書道が残っていくようにとした背景があります。

習字という名称が生まれるまでに10年くらいは「西日本書道通信学会」という名称で活動されています。

そのあと、

「西日本習字教育連盟」に変わり、その四年後に「日本習字教育連盟」と改名されています。

それから50年以上経っていて、日本習字と書道を別カテゴリーで考えている人が多いですが、歴史の上では、幹は一緒で枝葉で分かれたことになります。

戦後という転換期があったからこそ、生まれたのが日本習字があるように、

現在はインターネットが生まれ、テクノロジーの発展により、学び方が大きく変わりつつあります。

その中で、書道パフォーマンスというジャンルも生まれます。

「墨で文字を書く」という分野自体に、

書道教室出身の人、日本習字出身の人、アート出身の人、筆文字出身の人など、多くの方々が出てきてます。

その対象へのまとめた表記を「書道家」として考えられるようになっているのが現在です。

こうした書道の転換期は、過去にも起きている

書道作品 陽

先ほどの習字が生まれた背景のように、書道には転換期が過去にも何度もやってきています。

戦後には「前衛書道」なるものも生まれています。

時代の大きな変化が起きた時に、偉大な書家が生まれる傾向が近代書道界にはあります。

現在は、テクノロジーの発展と共に、コロナにより世界の大きなリセットもありました。

こうした時に「文化」には変化が生まれます。

これが「正統派」

これが「本物」と考えること自体が、時代遅れになりかねません。

時代の先も読みつつ、過去や古典、また歴史に学び、

書道を次の時代に紡いでいくことが、

現代を生きる書家に必要な要素です。

今の時代はネットでも師匠からも歴史を学べます。

これから志す皆様にも、この記事が参考になれば幸いです。

参考資料

今回の記事の参照にしたページも記載しておきます。

Wikipedia 書家

広辞苑